味でつなぐ -料理人探訪Vol.3 マカウダ
「包丁にこだわるお店は絶対に美味しい。」
素材にこだわる飲食店が増えた中、その素材を活かすために、料理人が行きつくのが包丁へのこだわり。
包丁の質や手入れにまでこだわるお店が、まずいわけがない。
グルメサイトのレーティングでは紹介しきれない本当に美味しいお店を、料理人の魅力を通して紹介できたら。
第4回は、谷町四丁目の本格イタリアン、「マカウダ」をご紹介したい。
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大手チェーンでも盛り付けや仕上げが学べる
元々は母親がお惣菜屋をやっていたのもあって、なんとなくで有名なイタリアンのチェーン店で
バイトしていました。
最初はバンドの方が楽しくてレストランはバイト先、という感じでしたが
当時付き合っていた彼女も料理の世界にいて、それがかっこよく見えたんですよね。
それが仕事として少し意識しはじめた頃ですね。
専門学校はデザイン系のところに行って、あとはバイトとバンドばかりやっていましたね。
バイト先は大手だけあってマニュアル化されていたことも多く、
仕上げや盛り付けの基本はそこで学べたと思います。
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立ち上げメンバーとしての経験と教訓
22歳を前に将来を意識するようになりチェーンから梅田でのイタリア料理店に移って一年くらいのころ、
「芦屋でフレンチのビストロを立ち上げる」という話を聞いて、オープンから一緒に働かせて頂きました。
そこのオーナーは本当に料理へのこだわりが強く、すごく美味しかった。
ですが、なぜかお客様が入らないんですよね。
「なぜ美味しいのにお客さんが来ないんだろう」と疑問でした。
結局1年でそのお店は閉店してしまい、設備の搬出を眺めながら飲食業界の厳しさを噛み締めました。
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名物シェフとの出会い
その後知り合いのツテで、Pappa(大阪市西区)というお店に入り、
入ったタイミングも良くメイン料理や、中央卸売市場での素材の見極め方なども勉強させて貰いました。
なによりそこのオーナー、松本シェフを見て自分の中でピンときたものがありました。
料理が美味しいだけでなく、お客様とのつながりを非常に大事にされていたんです。
松本シェフはテレビで自分のコーナーを持ち、色々な場所で講義もやるなど特別な部分もあったと思いますが、
飲食店をやるにあたって美味しいだけではダメで、
集客やお客様とのコミュニケーションが大事なんだということがわかりましたね。
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本場への思い
そんな時に、知り合いのシェフがイタリアで修行したという話を聞きました。
毎日勉強をさせて貰っていましたが、本場の料理を学びたい気持ちが
日増しに強くなっていき、「自分も行きたい」と相談してみたんです。
聞いてみたところ、パルマに働き口がある、ということで飛びつき、
ワクワクして準備を進めていました。
ただ、なんといざ行く直前になってなんと働き口がなくなってしまったんです。
イタリアへの気持ちは高まったままだったので「もう行ってから考えよう」と決心し、
向こうで働き口を探すことにしました。
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イタリアでの発見
イタリア語も勉強はしていましたが、最初は何言ってるか全然わからず
1年目はボディランゲージでなんとかしていましたが、みんな仕事なので
僕に構っている暇がなく、見よう見まねで覚えていましたね。
やっていく中でたくさん勉強になりました。
まず、イタリアは食に対して意外と保守的です。
日本では、「昨日は洋食だったから今日は和食にしようかな」とジャンルから選びますが、
イタリアでは、近くにフランスやスペインがあるのに、基本イタリアンばかり食べます。
また、流行とかがあまりなく、お店ごとに得意料理がある感じです。
それがないとやっていけないみたいな。お客さんも
「今日はあそこのトマトソースを食べに行こう」という感じでお店を選んでいましたね。
地方ごとにも特色があって、例えばカルボラーナのようなクリームソースは
ローマではありますけど、他の地方に行くとほとんどありません。
最初パルマで働き口がなくなって落ち込みましたけど、結果的に色々なお店を
回れてより勉強になったと思いますね。
2年目、南イタリアに移ってからはコミュニケーションが取れるようになり、
わからないこともたくさん聞くことができるようになりました。
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日本の包丁
向こうに行くと、すぐに「おまえ日本人だろ、包丁研いでくれよ」と言われます。
日本の包丁はすごく切れる、というイメージがあるようです。
研ぎ方も教えましたけど、この前一文字さんに研ぎをお願いしたら、
「引き裂く」という感覚がほとんどなく刃がすっと入るような感じで、
改めてプロにお願いしないといけないな、と思いました。
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本格的なイタリアンをリーズナブルに
日本にイタリアンはたくさんありますが、本格的にイタリアで修行したシェフが
この価格帯でお店を出していることはまずないと思います。
スタイルは向こうで学んだものを活かして、食材は地元のものを活用し、
ここにしかないお店にしていきたいと思いますね。
中でも鮪のカルパッチョには自信があります。地元が和歌山の田辺の方なのですが、
知人を介して地元の良い鮪を貰っています。勿論、本場で修行して
道具も製法もこだわりぬいたパスタも是非味わって頂きたいですね。
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Macauda(マカウダ)
OPEN 11:30-14:00 / 17:30-23:00 CLOSE 不定休
住所 大阪府大阪市中央区常磐町2-1-3 ハイネス常磐町101
TEL 06-4792-8262
https://www.instagram.com/macauda_osaka/