Gラインシリーズ(V金1号)とFV10シリーズ(V金10号)を徹底比較します。

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堺一文字光秀の洋包丁の中で人気を二分するこの二種類を徹底比較します。

当社のステンレス系洋包丁の中で不動の人気を誇る2トップがGライン(V金1号)シリーズとFV10シリーズになります。

どちらの包丁も切れ味と刃の持続性がとても高く、ステンレス鋼の包丁の中でもトップクラスのクオリティを誇る自信作です。
使用している鋼材がどちらも武生鋼材のv金シリーズのステンレス鋼を使用しているのですが、良くお客様からこの二種類がどう違うのか質問されます。

この二つを研ぎ師の目線からご説明します。
 

Gライン(V金1号)ステンレス鋼シリーズ

当社の洋包丁の中で昔から料理人に愛されてきたロングセラーシリーズがGラインシリーズです。

刃のクオリティもさることながら、牛刀、ペティナイフはもちろん出刃包丁や柳刃包丁などの和包丁まである豊富なラインナップが人気の秘訣です。

使用している鋼材のV金1号は、銀三鋼やV金10号と比べると地味な印象があるステンレス鋼ですが、そのクオリティは二種類に負けていないくらい高い実力があります。

特に刃の硬度面だけを見ると同等の硬さがあると思います。
そのため切れ味と刃の持続性などの基本的な性能は、ステンレス鋼の中でもトップクラスのクオリティがあります。

FV10 ステンレス鋼シリーズ

たびたび紹介しておりますが、「堺一文字光秀」洋包丁の中で人気、品質面でナンバーワンの商品がこちらのFV10シリーズです。

数ある洋包丁の中でも研ぎ職人、料理人など多くの方からご好評いただいている自信作です。
一番のおすすめポイントと言えばその刃のクオリティの高さです。

ステンレス鋼の良さを最も引き出せているのがこのFV10のv金10号だと思います。
その良さとは、刃の硬度と粘りが一番高い次元で両立出来ていることです。

そのバランスの良さが、この鋭い切れ味と刃の持続性を実現しているわけです。

Gライン(V金1号)と FV10(V金10号)を研ぎ比べた感想

包丁の使い心地や切れ味などは使う人によって感じ方が変わるものだと思います。

ですので、今回は研ぎ師の目線から二つの包丁を研ぎ比べてみて感じたことと、お客様から修理を預かった時の包丁を見て思ったことを比較していきます。

まず研いで感じるのが、どちらも刃が硬く研ぎにくいということは同じです。

こればかりは硬度のあるステンレス鋼ですので仕方のないことだと思います。

その中でもどちらが研ぎにくいかと言われますと、Gラインシリーズのほうが研ぎにくく感じます。
Gラインシリーズを研ぐとカチカチとした硬質感を感じ、砥石のかかりが悪いので砥石の上でツルツル滑る感触が強いです。

そのせいか砥石が目詰まりすることが多く、特に硬い砥石とは相性が良くないように思えます。

砥石のりが良いFV10シリーズの包丁

FV10シリーズも刃が硬いので硬質感は感じますが、砥石のりが良く、こちらのほうが砥石にかかってくれます。
そのためかGラインシリーズより刃に柔軟性があるよう感じます。

これがFV10シリーズの持っている”粘り”の良さだと思います。

この違いは小さな差ではありますが、研ぎ比べますとFV10シリーズのほうが研ぎやすいです。

修理を預かった包丁を見て感じたこと

共に人気のあるシリーズですので、お客様からの修理依頼も多いです。
預かった包丁を見て感じることが、Gラインシリーズは少し錆びが目立つ事です。

基本的にはステンレス鋼の包丁は錆びに強く作られているのですが、炭素を含んでいますので手入れ次第では錆びが出ることがあります。
特にV金1号、V金10号のような鋼材は切れ味を重視しているため、炭素を多く含有しているためより注意が必要です。

その中でもGラインシリーズで錆びが出ている包丁をよく見かけます。
ステンレス鋼の錆びは鋼と違い、刃全体が真っ黒になったり、真っ赤に錆びたりすることは少ないのですが、虫食いのような黒い錆び(孔食)になる場合が多く見られます。
孔食は非常に厄介で、横に広がるのではなく中に浸透していきますので、研いでも研いでも刃こぼれした状態が続きます。

「洋服の虫食いの穴」「チーズの穴」をイメージしてもらいますと分かりやすいですが、ポツポツ穴が空いた状態で元通りに修復することが不可能です。

 

まとめ

色々比較してみますと、やはり「FV10シリーズ」のほうが様々な面で実力の高さがあります。
ですが、これは目に見える大きな差ではないので、価格面ではGラインシリーズのほうが低くなっているためコストパフォーマンスはとても高いと言えます。

FV10シリーズは全ての面でクオリティが高くバランスが良いので、是非使ってみて頂きたいお勧めの包丁です。

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